完甘美の空腹

自分用 面白かったら感想お願いします

エコツーリズムとは

 ゼミで適当に選んだ論文を1つまとめて紹介(発表)する。明日。内容は読めば理解できるし整理するのにそこまで苦労しないんだけど、その論文のキーワードとなる「エコツーリズム」というのがすげー厄介。まとめついでにここに書いて原稿に起こす。という訳でエコツーリズムの話です。

スマホビューで見てる人はデスクトップ(PC)用サイトビューにすることを強くお勧めします。あと長いです。難しいと思う部分があったらコメントか何かくれると嬉しいです、発表用なので何がわかって何がわからない・理解しにくいのかが知りたいので。。。

 

 

エコツーリズムとは

 

(目次)

1.はじめに

2.エコツーリズムを遡る

3.エコツーリズムの要素

4.エコツーリズムの目指すところ

5.おわりに

6.参考文献

 

 

1.はじめに

 「エコツーリズム」という言葉を聞いたことがあるだろうか。世界遺産のある地域や自然の残る東南アジアなどに旅行に行った人はもしかすると言葉だけは知っているかもしれない。というのも、エコツーリズムはそれが及ぶ範囲がとても広く、定義は定義を考える人の数だけ存在し、その中に誤用も正解もあったりと見極めが中々に難しい。なのでここではエコツーリズムの概念形成に関わる事柄に注目し、その定義と概念の編纂を辿る。最終的には「エコツーリズムって何?」という問いに対してきちんと答えられるのを目標としたい。

 

2.エコツーリズムを遡る

 近年、観光・旅行業界において、「エコツーリズム」という考え方が注目されている。その背景には、よく言われる持続可能な社会を構築していこうとする社会の流れが自然環境と密接に関連していること、そしてそれらを取り持つ旅行業界と政府がその旅行によって観光立国化・地域活性化を図ろうとする方針が影響しているためである。日本においては、平成19年6月20日に「エコツーリズム推進法」が成立し、「エコツーリズム」による自然環境の保全、観光振興、そして地域振興の方向性が示された。では、エコツーリズムとは具体的にどういうものなのだろうか。

  エコツーリズム和製英語だ。英語で表記するとecotourism。もう少し細かく分けると、eco-tourism。ecoは「経済・環境」という意味だ。tourismは「観光」という意味。したがってecotourismは直訳すると環境(経済)観光となる(ここでのecoの主な意味は環境だが、経済も含まれるので丸括弧になっている)。ここで重要なのは、tour(旅行)ではなくtourism(観光)ということ。では、tourism(観光)とはなんだろう。

 「観光」の語源は、中国古典『易経』の中の「国の光を観る」という語に由来している。つまり、他国の繁栄を見て学び、交流することによって自国の発展に寄与していた、ということだ。また、17~18世紀の裕福なイギリス貴族達はその学業の修了時に他国を長期訪問するというグランドツアーを行っており、旅は教育の一環として扱われていた。さらに19世紀後半では、旅を教育の一手段と考えていたトーマス・クック(*1)によってプロテスタント信者が禁酒大会に参加するための団体旅行が計画され、後にこれがパッケージツアーの原型となった。20世紀に入り旅は大型化・大衆化し、教育的な要素も持ち合わせながらも、主には娯楽のための旅行へと変容していった。日本において、2000年以前は周遊型・物見遊山型の団体旅行が観光の中心であったが、近年は目的型・体験型・学習型・滞在型と比較的コンパクトかつ多様な旅行に変化してきている。

 団塊の世代が定年を迎え、 高齢者や女性を中心に、見るだけのから体験する観光、団体で観光地を通り過ぎるだけから一ヶ所に滞在する観光に志向が変化している。この変化は、観光資源の多様化、交通アクセスの発達、地域の積極的な取り組みに加えてインターネットやブログによる詳細な情報の入手が容易になったことが要因と考えられる。こうした目的型・体験型の旅行の特徴は、観光対象となる資源を拡大し、生活空間や地域住民だけが享受していた身近な自然環境などを観光資源化することを可能にした。そして、それまで旅行業者や宿泊業者だけが担っていた観光について、観光客を受け入れられる地域や自治体が観光振興の取り組みの一環として担うようになってきている。

 その結果、観光開発から地域の自然環境を保全する立場の地域が、自然環境の再評価や観光資源化のために自然環境を利用する立場となり、自然環境を環境客に提供することで利益を得る地域資源活用型の観光が登場することによって、エコツーリズムが新しい観光スタイルとして確立した。

 

3.エコツーリズムの要素

 現在の日本において、教育的な効果を期待できるツーリズム形態として修学旅行やNGOなどが主催するスタディーツアーが挙げられる。修学旅行は実践的な教育ととらえられ、学校という教育の場を離れた土地で、団体行動を通して見聞を広めるという目的を持っている。スタディーツアーは、日本や現地のNPOなどの組織が主催・後援して発展途上国などで植林などのボランティア活動を行ったり、現地の住民と交流会を催したりといった明確な目的を持ったツアー形態で、協力という形で途上国の現状を学ぶ。

 このように、修学旅行もスタディーツアーも教育的な要素を含んでいるが、クローズドマーケット(*2)志向のツーリズム形態であるため、広いスケールでの教育的な波及効果はそれほど望めない。一方、エコツーリズムはオープンマーケット(*3)志向で、しかも教育的な要素を含んだ観光形態であると言われている。

 例えば、オーストラリアでエコツーリズムの研究を行っているスー・ビートン(*4)教授は、エコツーリズムの3要素を次のように挙げている。

(1).エコツーリズムは自然に基づいた(自然環境のもとで行われる)活動である。

(2).教育的・解説的な様相を含んだ活動である。

(3).持続可能な方法で管理・運営される必要がある。

ビートン教授が考えるように、エコツーリズムが上記の3要素を含むならば、その性格から不特定多数にその教育的効果をもたらすことのでき、かつ企業だけでなく地方自治団体や宗教法人もが参加できる活動と考えることができるのではないだろうか。

 また、日本におけるエコツーリズムの具体的事例としては、西表島屋久島の島巡り、軽井沢の野生動植物観察、佐瀬穂の地域資源再発掘体験、飯能の里地里山体験の身近な自然・文化・伝統を体験するのが有名である。世界遺産、国立公園、国定公園のような有名な観光地にとどまらず、従来は観光スポットとなりえなかった里地里山として存続している自然環境資源もエコツーリズムの目的地となっている。

 さらに、エコツーリズム推進法第二条第二項においてエコツーリズムを「観光旅行者が、自然観光資源について知識を有するものから案内又は助言を受け、当該自然観光資源の保護に配慮しつつ当該自然観光資源と触れ合い、これに関する知識及び理解を深めるための活動」と定義している。またエコツーリズムの実践者においては「自然環境への負荷を最小限にしながらそれらを体験・学習し、目的地である地域に対して何らかの利益や貢献のあるツアーと作り出し、実践する仕組みや考え方」と理解されている。

 こうした事例に共通していることは、

(1).(環境の)教育の場として活用されること。

(2).観光振興に寄与すること。

(3).地域振興に寄与すること。

(4).自然環境の保全に配慮していること。

この4つの要素がエコツーリズムの理念であり、これを踏まえた取り組みがエコツーリズムだと考えられる。

 しかし、エコツアーには採算性を上げるために観光客を増やそうとすると、自然環境や地域社会に対する負荷が増える危険を伴うという特徴がある。つまり、エコツアーの規模が拡大するとツアー内容の質の低下が生じたり、ツアー内容の変化を求めて、手つかずの自然環境を求めて奥地に入り込み自然環境を破壊するという危険がある。そのため、エコツーリズムには観光振興・地域振興を強調すると自然環境に負荷をかけることになり、環境保全を重視すると経済効果が十分に期待できないというジレンマがある。さらに、従来のエコツーリズムにおいては環境保全と観光振興・地域振興のバランスを取ることを重視するあまり、観光振興・地域振興としての規模の拡大が抑制される傾向にあった。そして今現在、エコツーリズム環境保全に立ちつつも観光振興・地域振興のための開発に重点を置くべきだと考えられている。つまり、エコツーリズムは「持続可能な開発を推進する」という方向に舵を切ったのである。

 

 4.エコツーリズムの目指すところ

 持続可能な開発を推進する上でも、環境保全の必要性を理解し、一人一人が環境保全の意識を高め、開発行為の在り方について、自分の身近な問題としてとらえることが必要である。そして、国民自らが環境教育のより少ない開発行為を推進するための監視役になろうとする意識形成が重要である。そのためにも、エコツーリズムの実施により、都会で生活する者をツーリストとして地域に誘うことで地方の開発に必要性を理解してもらい、地域開発と自然環境との調和の必要性について、地域の人々と共に考え悩んでもらうことがエコツーリズムの環境教育の成果となる。

 また、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会とするための開発とは何か。それは、自然循環、生物多様性、生命維持の仕組みを維持しながら、地域の社会的・経済的ニーズを充たす方法による、観光資源を活用した観光関連産業の育成と産業の基盤整備である。それは、再生可能な資源は再生可能速度を超えてはならず、再生不可能な資源は再生可能な資源に代替し、汚染物質の排出は浄化能力を超えてはならず、持続的な資源を利用した開発が求められる。

 そして、この持続可能な開発の担い手は地域の自然環境等に精通した地域住民や市町村自治体が中心でなければならない。従来の地域振興政策や産業政策は、その企画から実施に至るまで中央官庁や大手企業の影響を受けたもので、地域の自立性が乏しいことから十分な効果が得られずに終わったものも少なくない。従って、開発の担い手にはエコツーリズムの担い手である地域の人々によって展開されるべきである。

 観光産業の育成においては、農林水産業の振興を図り、関連産業育成のためのノウハウと施設の整備が検討されるべきだと考えられる。また、地域と旅行業者との連携による旅行商品・サービスの開発が必要となる。そして、地域にアクセスするための交通機関、道路等の整備が必要である。

 こうした観光政策において、地域の人々とのニーズや意見をきちんと反映させられるようなシステムについて自治体を中心に構築することが必要となる。そこで、地域の人々による「自律的な観光」を実現できるような評価基準を設置するべきだと考える。具体的には、費用対効果について、地域の人々の努力及び公的資金の導入と自然環境保全地域活性化(就業率と平均所得の向上・安定化)のバランスが取れているか否かで判断するシステムを提案したい。

 なお、地域の商工団体、農林水産業者、観光事業者が「持続可能な開発」を推進したとしても、地域の自治会、町内会、環境NPOが反対の態度をとった場合、自治体による両社の調整が必要となる。この点について、自治体の管理・運営のもとに環境、開発、行政の各分野の学者・有識者による第3社委員会を設置し、客観的な立場の者による判断を尊重して、関係者間のコンセンサスを形成するような制度を構築することで対応すべきだと考える。

 

5.おわりに

 エコツーリズムは実現可能かという疑問に対しては、エコツーリズムに関わる人々が、環境保全・観光振興・地域振興のバランスを取り、かつ教育的な側面を持って自律的な取り組みをすることができれば可能だと結論づけたい。しかし、エコツーリズムによりそのような地域経済が活性化するような振興は望めないのが現状である。それを解決するには、エコツーリズムのもつ教育的側面の価値が見直されること、そしてエコツーリズムを取り巻く法律や政策の改善・制定が求められる。

 

6.参考文献

「国際観光とエコツーリズム」著 小方昌勝

エコツーリズム教本」著 スー・ビートン

あと論文とかいろいろ。

 

*1:トーマス・クック(Thomas Cock 1808年11月22日-1892年7月18日)はイギリス・メルボルン出身の実業家。旅行代理店トーマス・クック・グループの創業者であり、ツーリズムの祖として知られる。

*2:開かれたマーケットのことで、だれでも商品を買うことのできる市場。コンビニやなど。

*3:閉じられたマーケットのことで、限られた人しか商品が買えない市場。会員制の通販(Amazon楽天)など。

*4:スー・ビートン(Sue Beeton 1956年11月9日- )はオールトラリア・ヴィクトリア州にあるラ・トローブ大学で観光学とホスピタリティ・プログラムの上級行使やコーディーネーターを務める。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4/27 13:00 

発表明日です。レジュメまだ作ってません。書評もまだ。パワポもまだ。

間に合うのか?いや、間に合わせるのだ......!